2025年10月1日に教育訓練休暇給付金という制度が始まりました。学び直しのために会社を辞めずに休み、その間の生活費を雇用保険から受け取れる制度です。
ただし使える人は限られます。会社の就業規則などに休暇の制度があることが前提で、制度がなければ本人が希望しても対象になりません。
このページでは、対象になる条件と、実際にいくら受け取れるかを整理しています。金額は厚生労働省の公式資料で確認しています(2026年8月確認)。
まず、会社に休暇の制度があるかどうかです
この給付金の対象になるのは、次の両方を満たす休暇です。
| ① | 就業規則や労働協約などに規定された休暇制度に基づく休暇であること |
| ② | 本人が受講のために自発的に希望し、会社の承認を得て取得する30日以上の無給の休暇であること |
教育訓練以外の目的も含む休暇制度であっても、教育訓練を受講するための休暇であれば該当します。会社や上司からの案内がきっかけであっても、本人の意思で取得を希望する休暇なら対象です。逆に、業務命令で受ける研修は対象になりません。
受け取れる条件
| ① | 休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること |
| ② | 休暇開始前に5年以上、雇用保険に加入していた期間があること |
雇用保険の一般被保険者が対象です。高年齢被保険者・短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者は対象外です。
離職期間があっても、12か月以内であれば離職前後の期間を通算できます。ただしその間に失業給付を受けていた場合は通算できません。
何日ぶん受け取れるか
受け取れる期間は休暇開始日から1年間です。この範囲内なら、休暇を複数回に分けて取っても受け取れます。
いくら受け取れるか
1日あたりの金額は、休暇開始前6か月の賃金をもとに計算します。失業給付(基本手当)とまったく同じ算定方法で、休暇開始日の前日を離職日とみなして計算します。賃金が低いほど給付率が高くなる仕組みです。
教育訓練休暇給付金はいくらか
令和8年8月1日からの算定式で計算します
休暇開始前6か月の平均です。賞与は含みません。
連続30日以上が条件です。所定給付日数を超える分は計算に入れません。
- 1日あたりの金額は、厚生労働省が公表している基本手当日額の計算式(令和8年8月1日〜)をそのまま使っています。公式の例(賃金日額6,000円→4,683円、9,000円→6,013円)と一致することを確認しています。
- 賃金日額は「額面月収 ÷ 30」で計算しています。実際は休暇開始前6か月の賃金総額を180で割った額です。
- この金額は非課税です。雇用保険法第12条により、失業等給付には税金がかかりません。額面の給与と比べるときは、税金と社会保険料が引かれない分を考慮してください。
- 計算式の金額は毎年8月1日に改定されます。手続きの前にハローワークで最新の金額をご確認ください。
- 実際の支給額はハローワークが決定します。ここでの計算は目安です。
知らずに損をする4つ
会社に休暇の制度がなければ、使えません
この制度でいちばん多い勘違いです。本人が休みたいと思っても、就業規則などに休暇の制度が無ければ対象になりません。まず自分の会社の規程を確認してください。制度が無い場合は、会社に導入を相談するところからになります。
有給休暇や育児休業と重なる日は、対象になりません
教育訓練休暇とは別の休暇・休業を取得した日は、教育訓練のための休暇として扱われません。無給であることが条件なので、有給休暇を充てると対象から外れます。
収入を伴う就労をした日は、対象になりません
休暇中にアルバイトなどで働いた日は、その日が対象から外れます。学び直しに専念するための制度だからです。
連続30日未満の休暇は、対象になりません
週1日だけ休む、といった取り方では受け取れません。連続した30日以上の無給の休暇であることが条件です。
対象になる教育訓練
| 大学・大学院・短大・高専・専修学校・各種学校が提供する教育訓練 |
| 教育訓練給付金の指定講座を有する法人などが提供する教育訓練 |
| 職業に関する教育訓練として職業安定局長が定めるもの (司法修習、語学留学、海外大学院での修士号の取得など) |
手続きの流れ
休暇を取り始めたあと、30日ごとにハローワークへ休暇の取得状況を申告します。認定を受けると、その日数分が支給されます。会社は休暇開始時の賃金月額証明書などを提出します。
必要な書類は厚生労働省のページに様式が用意されています。事前に会社の人事・総務と、管轄のハローワークの両方に確認しておくと確実です。
よくある質問
教育訓練給付金と両方もらえますか
制度としては別のものです。教育訓練給付金は受講料の一部が戻る制度、教育訓練休暇給付金は休んでいる間の生活費を補う制度です。要件をそれぞれ満たせば、受講料の給付と休暇中の給付の両方が関係してきます。具体的な組み合わせはハローワークにご確認ください。
会社に休暇制度がない場合はどうすればいいですか
本人だけでは対象になりません。就業規則などに休暇制度を設けてもらう必要があります。厚生労働省は事業主向けの導入事例集も公開しているので、会社に相談する際の資料として使えます。
もらえる額は税金の対象になりますか
なりません。雇用保険法第12条で「租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない」と定められており、教育訓練休暇給付金はこの失業等給付に含まれます。
休暇を分けて取ってもいいですか
受給期間(休暇開始日から1年間)と所定給付日数の範囲内であれば、分割して取得しても支給を受けられます。ただし1回目は連続30日以上の休暇である必要があります。
確認先
| 制度と支給額 | お住まいを管轄するハローワーク |
| 会社の休暇制度 | 勤務先の人事・総務 |
| 様式・パンフレット | 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」のページ |
このページは制度の仕組みを整理したものです。支給の可否と金額はハローワークが決定します。当サイトは社会保険労務士事務所ではなく、個別の相談には応じられません。金額と条件は2026年8月時点で厚生労働省の公式資料および雇用保険法の条文を確認して作成しています。
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